<原著>吃音を主訴に相談に訪れた幼児の2年後の経過 : 幼児吃音の早期指導のための予備的研究
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概要
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幼児期に吃音を主訴に相談に訪れた症例の, 約2年後の経過について検討した。対象は, 某市の相談機関で筆者が担当した症例のうち, アンケートおよび電話による聞き取り調査により経過を確認できた8名である(初診時年齢は2歳1ヶ月から4歳9ヶ月)。吃音の経過・吃音の自覚・性格特性についてretrospectiveな検討を行ない, 以下のような知見が得られた。(1)8症例中6名に症状の軽減・消失がみられた。そのうちの4名は発吃後1年以内に急激な進展がみられたが短期間のうちに軽減, 消失したものである。(2)幼児期においても随伴動作や語の言い換えがみられたことなどから, 従来の一般の認識よりも早い時期から幼児本人の自覚があることが窺われた。(3)吃音の悪化を促進するとされている性格特性, すなわち引っ込み思案・自信の無さ・自己主張の弱さなどの特性が幼児期から顕著にみられる症例があった。
- 県立広島大学の論文
著者
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