看護のアイデンティティー、その5 : 看護技術に関する大学生と看護師の価値観の相違とその意味(保健福祉部看護学科)

概要

論文の詳細を見る
看護職のアイデンティティーを明確にして看護学生を教育することは看護大学の緊急な課題である。教育により学生達は看護職について習得し、その過程でさらに新しいアイデンティティーを獲得すると想像される。教育に役立てるため、我々はこれまでに看護のアイデンティティ一に関するキーワードのうち、看護職の資質、個人的行動、看護職に重要な社会生活の3つの範鴫のキーワードについて看護師と学生の価値観の差について報告してきた。この第5の報告では、第4範躊である看護職技術に関する24キーワードについて学生と看護師の価値観の差について報告する。相違を比較するのは入学経緯や教育環境が類似である本学1年生と卒業生の看護師の2集団である。学生と看護師の回答に基づき、彼女らが最も大事と考える概念に10点を与え、2番目に大事と考える概念に9点を与えい|順次点数を下げていくとういう操作を行い、1番から24番の各キーワードの得点を看護師と学生の2種類にデータベース化した。各キーワードの得点を看護師と学生の母数でそれぞれ除してこれを平均技術指数と名付けた。さらに、学生から看護師に変化したときの価値観の変化を明白にするため、丁看護師技術指数」の「学生技術指数」に対する比を求めた。この操作により、看護師になることにより重要性が高まるものとして、疼痛を緩和する、患者第一に考え業務進行を二義的に、了解無しの行為をしない、非マニュアル的対応をする、などの語句が抽出された。患者第一に業務進行を二義的に、了解なしの行為をしない、の各キーワードは看護師での得点が高くかつ学生との価値観の差も大きかった。一方、学生は、集団の疎外から患者を守る、に看護師よりもかなり高い評価を与えていた。看護師がことに高い点を与えた、患者を(こまやかに)観察する、医療ミスをしない、患者を見て(目を見て)話す、了解なしの行為をしない、患者第一に業務進行を二義的に、対話する、環境を整える(騒音、温度、光)、患者に理解できる言葉で話す、の8項目は看護教育の方法やカリキュラムに反映させるに適当な項目と考えられた。
西南女学院大学の論文
2005-02-28

看護のアイデンティティー、その5 : 看護技術に関する大学生と看護師の価値観の相違とその意味(保健福祉部看護学科)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク