<原著>看護のアイデンティティー,その3 : 看護の行動パターンについての大学生と看護師の価値観の相違とその意味

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すべての看護大学にとって,どのような看護職のアイデンティティーを根拠に学生を教育するかは重要な課題である。この第3の報告で,我々は学生と看護師の価値観の相違を明らかにして教育に役立てるため,看護のアイデンティティ一に関する152キーワードのうち,看護師としての個人的行動パターンの26キーワードを比較検討した。相違を比較する集団としては入学経緯や教育環境が類似である本学の学生と卒業生の2集団を選んでいる。学生と看護師の回答に基づき,彼女らが最も大事と考える概念に10点を与え,2番目に大事と考える概念に9点を与え,順次点数を下げていくとういう操作を行い,1番から26番の各キーワードの得点を看護師と学生の2種類にデータベース化した。さらに,学生から看護師に変化したときの価値観の変化を明白にするため,「看護師行動指数」の「学生行動指数」に対する比を求めた。この結果,自己研鑚,科学的態度,良い友人を持つ,電話の対応を身につける,研究をする,がこの順に比が大きく,看護師になることにより重要性が高まるものであることが判明した。しかし,これらの中には比は大きいものの看護師での得点が低いものがあった。自己研鑚,良い友人を持つ,正確な情報を得る,物事に取り組む姿勢,の4項目は看護師での得点が高くかつ学生との価値観の差が大きかった。これらの項目とともに看護師が高い点を与えた,手順の良い仕事,笑顔,物事に取り組む姿勢,確認をする,正確な情報を得る,の5項目はカリキュラムを作成する上で重要な項目と考えられる。
西南女学院大学の論文
2003-03-29

<原著>看護のアイデンティティー,その3 : 看護の行動パターンについての大学生と看護師の価値観の相違とその意味

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