高齢者の住宅環境および助成制度利用に関する実態調査(保健福祉学部看護学科)

概要

論文の詳細を見る
在宅で生活する高齢者の住宅環境と介護保険制度下における助成制度の利用実態を調査し、自立を支える住宅環境について検討することを目的におこなった。197名の高齢者の居住する浴室・脱衣室およびトイレ環境について調査を行い、建築年数、年齢、不満の有無と改築の関連および建築年数と手すりの有無の関連、助成制度利用者の住宅の概要および助成制度利用の状況について、次の結果が得られた。建築年数が古いほど改築が多くみられ、単独世帯や夫婦のみ世帯において改築率が低かった。改築の意思がない理由としては、現状に満足している者が半数以上を占めていた。助成制度について知っていた者は41%であったが、そのうち助成制度を利用した者は13名(16%)と少数であった。助成制度について知っていると回答があった81名の浴室・脱衣室・トイレの設備は、手すりや滑り止めの設置は約5〜30%と低かった。助成制度について知っている人が半数にも満たなかったことから啓蒙活動を進めることが重要である。但し、介護保険の助成制度の範囲内では、介護負担の軽減や高齢者の安全への備えをするには限界があり、更なる検討が必要である。
西南女学院大学の論文