骨格性反対咬合者の咀嚼運動リズム
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概要
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本研究の目的は, 骨格性反対咬合者の咀嚼運動時の機能的特性を明らかにすることである.咀嚼運動自動分析システムを用いて, ガム咀嚼時の咀嚼運動リズムとその安定性について, 骨格性反対咬合者30名と正常咬合者20名を分析し, 両者を比較検討した結果, 以下の結論を得た.1. 正常咬合者群の開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, サイクルタイムの各平均値は, それぞれ192 msec, 193 msec, 190 msec, 574 msecであった.2. 骨格性反対咬合者群の開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, サイクルタイムの各平均値は, 開口相時間と閉口相時間で近似し, 咬合相時間は最小値で, それぞれ263 msec, 257 msec, 206 msec, 727 msecであった.3. 開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, サイクルタイムの各平均値は, 正常咬合者群と比べ骨格性反対咬合者群の方が有意に延長していた.4. 咀嚼運動リズムの安定性の指標としての開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, サイクルタイムの各変動係数の平均は, 正常咬合者群よりも骨格性反対咬合者群の方が大きく, 両群間に高度な有意差が認められた.以上のことから, 正常咬合者群よりも骨格性反対咬合者群の咀嚼リズムは延長し, その安定性は劣ることが示唆された.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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石川 晴夫
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
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中村 俊弘
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
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石川 晴夫
日本歯科大学歯学部歯科矯正学講座
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仲谷 豊
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
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中村 俊弘
日本歯科大学歯学部歯科矯正学講座
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中村 俊弘
日本歯科大学生命歯学部歯科矯正学講座
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中村 俊弘
日本歯科大学歯学部
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