レジン強化型グラスアイオノマーセメントのダイレクトボンディングへの応用 : ブラケットベース形態の剪断接着強さに及ぼす影響について
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概要
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レジン強化型グラスアイオノマーセメント(RGIC)をダイレクトボンディング法に応用したときの臨床的有用性を検討する目的で, RGICの剪断接着強さを測定すると同時に, サーマルサイクル試験による耐久性ならびにARIスコアによる接着状態を評価した.なお矯正用ブラケットには3種類のベース形態(Ormesh, Ormesh/S-blast, Optimesh)を用い, 接着材にはRGICの他に2種類のレジン系接着材(OS, RB)とグラスアイオノマーセメント(KC)の対照を用いて検討し, 以下の結果を得た.1. ブラケットベースの形態を走査型電子顕微鏡で観察したところ, Ormeshに比べてOrmesh/S-blastならびにOptimesh表面の粗造化を認めた.2. 4種類の接着材の比較においてKCが有意に低く, OSとRGICとの間には有意差が認められなかったことから, RGICは臨床上必要とされる接着強さを示すと考えられる.3. 24時間後とサーマルサイクル後の接着強さには有意差が認められなかった.4. ARIスコアはOrmeshに比べてOrmesh/S-blastやOptimeshにおいてスコアが低下する傾向があり, これはベース形態を改変し接着材とベースとの保持を高めた結果と考えられる.5. RGICはエナメル質の酸エッチングを必要とせず, in vitroにおいて良好な接着強さを示したことからも従来のレジン系接着材に取って代わる特性を有すると考えられる.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
-
小森 成
日本歯科大学附属病院小児・矯正歯科
-
小森 成
日本歯科大学小児矯正科
-
小森 成
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
-
新海 博
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
-
石川 晴夫
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
-
石川 晴夫
日本歯科大学歯学部歯科矯正学講座
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