Angle I 級叢生患者の咀嚼運動パターンに関する研究 : 咀嚼側間における差異について
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概要
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Angle I級叢生者の咀嚼運動経路のパターンを明らかにし, さらに咀嚼側間における差異をより明確にする目的で, 患者80名のガム咀嚼時の咀嚼運動経路をパターン分類し, 各パターンの発現頻度ならびに咀嚼側間における運動経路の安定性を検討し, 以下の結論を得た.1. 主咀嚼側, 非主咀嚼側の両側における咀嚼運動パターンの発現頻度では, 中心咬合位から作業側に向かってスムーズに開口し, その後中心咬合位へ閉口するが, 中心咬合位付近の閉口路が直線あるいはconvexを呈するパターンIが最も高く, 以下中心咬合位から非作業側に向かって開口後作業側へ向かい, その後中心咬合位へ閉口するが, 心咬合位付近の閉口路が直線あるいはconvexを呈するパターンIII, 正常者にみられる8つのパターンのいずれにも特定できないパターンIXの順であり, パターンIとパターンIIIは全体の54.4%を占めていた.2. 主咀嚼側における咀嚼運動パターンの発現頻度では, パターンI, パターンIIIの順で多く, 全体の72.5%を占めていた.3. 非主咀嚼側における咀嚼運動パターンの発現頻度では, パターンIX, パターンIII, パターンIの順で多く, パターンIXが32.5%で, パターンIIIとパターンIは, 全体の36.2%であった.4. 咀嚼側間で比較した咀嚼運動パターンの発現状況では, 主咀嚼側と非主咀嚼側がともにパターンIIIの場合が最も多く, 以下主咀嚼側と非主咀嚼側がともにパターンI, 主咀嚼側がパターンIIIで非主咀嚼側がパターンIX, 主咀嚼側がパターンIで非主咀嚼側がパターンIXの順であった.5. 主咀嚼側と非主咀嚼側における運動経路の安定性では, 開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分の各SD/ODは, 主咀嚼側咀嚼時の方が非主咀嚼側咀嚼時よりも小さく, 咀嚼側間に有意差が認められた.
- 日本矯正歯科学会の論文
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