埋伏犬歯により第一小臼歯に歯根吸収を惹起している Angle II 級症例
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概要
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患者は, 初診時年齢 の女子で, 上顎左側犬歯の異所萌出により上顎左側第一小臼歯に歯根吸収を惹起しているAngle II級症例である.治療は, 2つの段階に分けられ行われた.第一段階としては, 当該小臼歯を抜歯し, 埋伏犬歯の歯列内への自然萌出を試みながら, 大臼歯関係の改善はヘッドギアで行うことであった.第2段階として, 埋伏犬歯が萌出したことを確認したのち小臼歯抜去症例として, 本格矯正治療に入ったものである.得られた所見ならびに治療方法は次のとおりであった.1. 上顎左側埋伏犬歯は, 開窓・牽引せず上顎左側乳犬歯, および歯根吸収した同側第一小臼歯を抜歯し, 自然萌出させた.左右側の第一大臼歯関係は, ヘッドギアにより左側のみが改善された.2. 下顎の左右側第一大臼歯の近遠心的位置が左右非対称であるため非対称抜歯を行い, 動的治療終了後には右側の第一大臼歯関係もほぼI級を獲得した.3. 動的治療終了後3年を経過した時点での臨床的評価においても良好な咬頭嵌合, 咀嚼機能を維持していた.
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