生活支援に向けた工学技術の応用 : 工業用ロボットを中心として

概要

論文の詳細を見る
近年, 多くの自動車メーカーがモジュール化組付を推進している。モジュール化組付は, モジュール内部品の統合によるコストダウン, 部品組付のために車両内乗込み作業が減少することによる作業姿勢の改善等, 様々な効果が期待されている。しかし, モジュール化されない部品と比較すると, 最終搭載時の部品はサイズが大きくなり, 重量も増加する。一般に, 大型モジュール部品の最終搭載方法として自動化工程を採用する例が多く見られるが, 自動化工程は, 生産変動に柔軟に対応しにくい, 設備トラブル時の復旧に時間を要する等の課題があり, 理想的な工程とは言い難い。一方, 作業者中心の組立工程は, 作業の組替え等の自由度も高く, フレキシブルな工程を実現しやすい。このような観点から, モジュール化に対応した上で, 作業者の組立作業負担を低減する技術は, 今後の組立工程の方向性を考える上で重要な要素になる。本稿では, このような重量部品搭載時の水平方向移動から組付けまでの人による作業を支援するために実用化された装置「スキルアシスト」に関する人間-自動機械共存系のFTAに基づく安全対策技術を主題として報告する。
社団法人日本理学療法士協会の論文
2005-06-20