イヌにおける選択的β3アドレナリン作動薬の抗肥満効果 : (I)イヌβ3アドレナリン受容体の発現とその作動薬によるin vivoでの脂肪動員
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概要
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β3アドレナリン受容体(β3受容体)は, 脂肪細胞に特異的に発現しており, これに対する作動薬は脂肪分解作用と抗肥満効果を持つことが, げっ歯類で知られている.本研究では, イヌでのβ3受容体の発現と, 作動薬の脂肪動員作用を検討した.まず, イヌβ3受容体の存在を確かめるために, イヌ脂肪組織のRNAをRT-PCR法により調べた.得られたPCR産物のヌクレオチド配列はヒトやマウスのβ3受容体と相同性が高かったので(80%), イヌβ3受容体であると判断した.このイヌβ3受容体mRNAは脂肪組織に多く発現しており, 脂肪組織以外では検出されなかった.イヌβ3受容体のin vivoでの機能を調べるために, ビーグル犬に選択的β3受容体作動薬であるCL316, 243とICI D7114を静脈内に急性投与して, その脂肪動員作用を測定した.これらのβ3受容体作動薬を投与すると, 30分以内に血中遊離脂肪酸が上昇し, 数時間にわたって高値を維持した.両作動薬ともにその作用は用量依存であったが, CL316, 243の方がICID7114に比べてはるかに効果的であった.また, 両作動薬ともに, 血中インスリン濃度を増加させた.以上の結果より, イヌの脂肪組織には機能的なβ3受容体が発現しており, CL316, 243は効果的な作動薬であることが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1998-04-25
著者
-
吉田 俊秀
京都府立医科大学第一内科
-
内田 英二
酪農学園大学獣医内科学第二教室
-
新山 雅美
酪農学園大学獣医学部獣医内科学第2教室
-
斉藤 昌之
北海道大学大学院獣医学研究科
-
内田 英二
酪農学園大学獣医学部獣医第二内科学教室
-
斉藤 昌之
北海道大学大学院獣医学研究科比較形態機能学講座生化学教室
-
佐々木 典康
北海道大学大学院獣医学研究科比較形態機能学講座生化学教室
-
Sakane N
Kyoto Prefectural Univ. Medcine Kyoto Jpn
-
佐々木 典康
日本獣医畜産大学獣医生理化学教室
-
内田 英二
酪農学園大 獣医
-
新山 雅美
酪農学園大学家畜内科学教室
-
新山 雅美
酪農学園大学獣医学部
-
新山 雅美
酪農学園大学獣医学部獣医学科
-
Sakane N
Kyoto Prefectural Univ. Medicine Kyoto Jpn
-
Sakane Naoki
Department Of Immunology Graduate School Of Pharmaceutical Sciences Osaka University
-
佐々木 典康
北海道大学大学院獣医学研究科比較形態機能学講座
-
Uchida E
Rakuno Gakuen Univ. Hokkaido Jpn
-
Uchida Eiji
Veterinary Internal Medicine Ii School Of Veterinary Medicine Rakuno Gakuen University
-
吉田 俊秀
京都府立医科大学 第一内科学教室
-
佐々木 典康
Department of Immunology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University
-
吉田 俊秀
京都府立医科大学
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