ビーグル犬における肥満に伴う胸腔圧迫の胸部X線画像による評価(臨床病理学)

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概要

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軽度から中程度の肥満のある15頭のビーグル犬の吸気終末時および呼気終末時の胸部X線画像から,胸腔の長さ,深さ,幅および面積を算出し,肥満と胸腔の大きさとの関係を調査した.肥満度の指標として,体重および第7腰椎棘突起上の超音波エコー背脂肪厚を用いた.体重が重く背脂肪厚の厚い個体ほど胸腔の長さが短く,胸腔の深さおよび幅は大きくなる傾向にあることが認められた.他方,胸腔面積と体重および背脂肪厚との間には明確な関係は認められなかった.これらの結果は,軽度から中程度の肥満のあるビーグル犬では,肥満に伴う横隔膜の頭側への押し上げによる胸腔圧迫があること,および胸腔の深さおよび幅を増加させることにより胸腔容積の縮小を代償している可能性があることを示唆するものであった.
社団法人日本獣医学会の論文
2004-05-25

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