V溝を用いた弾性表面波リニアモータ

概要

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駆動周波数約10MHzの弾性表面波を用いた, 超音波リニアモータが実現されている. 弾性表面波素子をステータ振動子とすることで, 保持剛性を高め, 全体の剛性を高くすることができる. また, パワー密度を極めて高くすることが可能となり, 摩擦力を介して取り出し得る推力を大きくすることが可能となる. このモータの1軸方向への移動特性を改善し, 機構を簡略化するため, V溝をガイドとした弾性表面波リニアモータを提案・試作した. スライダには二つの直径2mmの鋼球を用い, 4点で安定に摩擦駆動が行われようにした. 予圧としては自重だけであったが, 接触部の半径は1.4μm, 最大接触圧力は180MPaと見積もられた. 過渡応答特性を測定することにより, 速度や推力を求めた. また高周波化の検討のため, 約20MHzの弾性表面波素子により, 同様の駆動実験を行った. いずれも, 約0.4mNの駆動力を得た. これは, 接触部の単位面積当りでは18N/mm^2であった. 推力を取り出す上では, いずれも良好な特性であった. しかし, 定常速度に関しては, 振動速度の20〜40%と低い値であった.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-10-25