音声ピッチの音韻性による短期記憶メカニズムの差異
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概要
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日本語単語のピッチアクセントは,単語の区別に関わるという点で音韻性(示差性)をもっという特徴がある。韻律の中でも,示差性の有無によって知覚に関わる機構が異なることが近年の脳機能計測研究により明らかになりつつある。そこで,本研究では韻律のもつ示差性によって異なった保持機構が用いられるのかどうかを検討するため,二重課題実験を行った。一次課題はピッチアクセントあるいは偽アクセントを付与した音声刺激の韻律・分節音の保持課題であり,二次課題は平坦ピッチ,ピッチアクセント,偽アクセントを付与した構音課題であった。実験の結果,韻律の保持と構音の種類の間には,アクセントの示差性に選択的な干渉パターンが得られた。一方,分節音の保持に対しては構音の種類による干渉の違いは見られなかった。これらの結果は,ピッチアクセントは単語の区別に関与しないような他の韻律パターンとは異なった機構で保持されることを示唆している。
- 2002-03-22
著者
-
田中 章浩
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
-
森 浩一
国立障害者リハビリテーションセンター研究所
-
田中 章浩
東京大学大学院人文社会系研究科
-
森 浩一
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
-
高野 陽太郎
東京大学大学院人文社会系研究科心理学研究室
-
高野 陽太郎
東京大学人文社会系研究科
-
高野 陽太郎
University Of Tokyo
-
森 浩一
国立身体障害者リハビリテーションセ 研
-
高野 陽太郎
東京大学大学院人文社会系研究科
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