視聴覚音声知覚の脳機構 : 脳磁図による時間的機序の解析
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概要
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聴覚、視覚、視聴覚提示による音声知覚の脳内過程を、健常成人日本人 8 名の脳磁図を用いて検討した。英語の /ra/ と /la/ を含む語から当該音節を取り出し、(1) 聴覚のみ、(2) 視覚のみ、(3) 視聴覚の 3 つの条件下で提示し、オドボール条件で被験者に弁別してもらった。その結果、提示頻度の低い刺激に対しては、3 条件下で方向が共通の上前向き電流双極子を左上側頭回かまたは縁上回に観測できたものの、視覚提示では一次聴覚野より後上方の縁上回にしか観測できなかった。聴覚提示下の聴覚野の顕著な反応である N1m と共通の特性を持った活動は、視覚提示条件下では観測されなかった。このような結果は、視覚提示と聴覚提示条件下の N1m 以前の聴覚関連野の活動には本質的な差があることを示唆する。また本実験結果から、視覚提示での反応が音声開始以前に始まることが、視覚情報も併せて提示することで音素弁別を容易にする原因になっていることも示唆された。
- 1999-03-05
著者
-
今泉 敏
東京大学大学院医学系研究科音声・言語医学教室
-
森 浩一
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
-
林 良子
東京大学大学院医学系研究科
-
林 良子
東大医
-
林 良子
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所感覚機能系障害研究部
-
為川 雄二
東京大学大学院医学系研究科
-
内田 りさ
千葉工業大学情報工学科
-
世木 秀明
千葉工業大学情報工学科
-
内田 りさ
千葉工大
-
世木 秀明
千葉工業大学
-
爲川 雄二
東北大学大学院教育情報学研究部・教育部
-
森 浩一
国立身体障害者リハビリテーションセ 研
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