音韻・ピッチ判断に判う脳磁図の解析
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概要
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音韻やピッチ判断の脳内処理過程の時間順序を明らかにするため、合成言語音声をGO-NOGO課題により対提示して、音韻・ピッチの異同判断に伴う聴覚誘発脳磁図を測定・解析した。最初の音S1に対するM100は、音韻判断課題で電流双極子が前方に移動し、一部の被験者では左前頭葉下部に位置した。S1に対するM100振幅は左が大きく、M200と次の音S2のM100振幅は右が大きかった。課題負荷でM100の約50ms後に振幅極大が出現しやすかった。S2に対するM100は、ピッチ課題でGO刺激に対する潜時が短かった。S2に対するM200の電流双極子推定位置は、判断無し課題に対して判断課題で上方へ、音韻ないしピッチの異なるGO刺激でより上方へ移動した。一部被験者で左前頭葉下部が音韻判断時に活動することを示唆する結果が得られたが、音韻判断の脳内過程の個人差か、課題に対する戦略の差異かについてさらに検討したい。
- 1994-03-18
著者
-
今泉 敏
東京大学医学系研究科 認知・言語医学部門
-
森 浩一
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
-
湯本 真人
東京大学医学部附属病院検査部
-
森 浩一
東京大学医学部音声言語医学研究所施設
-
湯本 真人
東京大学 大学院医学系研究科内科学専攻病態診断医学講座
-
桐谷 滋
東京大学医学部
-
宮城島 一明
Research Institute Of Logopedics And Phoniatrics Faculty Of Medicine University Of Tokyo
-
米田 孝一
Research Institute of Logopedics and Phoniatrics,Faculty of Medicine,University of Tokyo
-
宮城島 一明
東京大学医学部附属音声・言語医学研究施設
-
米田 孝一
東京大学医学部附属音声・言語医学研究施設
-
米田 孝一
Research Institute Of Logopedics And Phoniatrics Faculty Of Medicine University Of Tokyo
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