ロランC電波の海岸付近における位相じょう乱
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概要
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LF帯の安定な伝搬特性を用いる双曲線電波航法は,位置の線の再現性が極めて優れており,測定位置の高い反復性が保持できるので,漁業関係者に広く利用されている.この精度が高く評価されて,利用範囲が沖合から海岸近くまで拡大しているが,陸地近傍で使用すると,陸地の影響による船位誤差が見出される.従来筆者らは,船が陸地に近づくにつれて船位誤差が増加する傾向を得ていた.そこで,単局からの電波を受信できる受信機によって,ロランC電波の位相測定を行い,高精度の実測船位と比較してロランC電波の位相誤差を求め,海岸付近の電波の振舞いを調べた.その結果,海岸近くの海面では位相誤差が正弦波的に変化していることが見られ,電波の見掛け上の伝搬速度の遅速が約800mの間隔で交互に現れた.今回,単局からの電波が,海上のみを伝搬して陸地に直角に入射する経路において測定したので,陸地からの電波の反射波が入射波に重畳するものとして,Monteathの考え方に基づきWaitが展開した理論式を用いて数値計算したところ,ほぼ測定結果を説明することができた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-10-25
著者
-
田口 一夫
鹿児島大学水産学部
-
西 隆昭
鹿児島大学水産学部
-
佐藤 尚登
海技大学校
-
佐藤 尚登
海技教育機構
-
佐藤 尚登
広島商船高等専門学校商船学科
-
山下 亨子
名古屋市立保育短期大学
-
田口 一夫
鹿児島大学
-
佐藤 尚登
海技大
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