状態遷移型認識モデルによる映像の時間表現の一手法

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近年、マルチメディア情報処理の高度化にともない、映像を自動的に解析しデータベース化する研究が盛んになりつつある。映像の扱いを困難にしている原因のひとつに、映像が時間軸を含んだメディアであることがあげられる。文献は、このような時間依存のデータを表現するモデルを議論したものである。しかし、このモデルは、映像の様々な側面のうち時間のみを抽象化して扱うことができるが、登場人物や特殊効果など、映像の内容を反映しにくい。一方、文献では、映像、音声、テキストなど、マルチメディアデータを統合するための抽象モデルによってシーンを記述し、映像理解を試みたものである。このモデルは、厳密な時間関係は記述できないが、対話シーンや、登場人物の出現範囲など、物語の進み具合を反映した意味的な時間記述に親和性が高い。われわれのグループにより提案された状態遷移モデルは、もともと地図画像など線画像認識のための認識モデルであった。その後、線画から自然画、また映像へと認識対象を拡大し、認識モデルとしての有効性と利用モデルとしての柔軟性が示された。しかしながら、主に空間関係の記述にとどまり、時間的な記述は、ミクロなレベルでの画像領域の動きを記述するにとどまった。そこで、文献の知見をとりいれて、シーン展開など、マクロな時間記述が可能になるように拡張することを提案する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27

状態遷移型認識モデルによる映像の時間表現の一手法

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