テクスチャ認知のフラクタル依存性
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概要
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単純な図形をはじめ類似した複雑な模様も人間は容易に識別できる.CRT画面上や医療画像上などでこのようなテクスチャ画像情報を短時間に情報処理する能力が必要とされる今日,それらの画像の視覚情報処理機構を解明することは重要な課題である.近年の視覚探索研究では,ポップアウトする識別要素としてテクストンが提案されているが,複雑な模様から構成されるテクスチャの認知では,テクストンが明確でないなど多くの疑問が残されている.一方,フラクタルは複雑さなどの指標であり,また視覚系とのかかわりも深い.本論文では,フラクタル次元が計算されたテクスチャ群を画像情報として利用した複数画像情報の同時提示による認知実験および注意配分モデルに基づいて,実際に,これらの連関がどの程度であるのかを定量的に調べる試みを行った.その結果,各テクスチャのフラクタル次元(D_P,D_H)と各テクスチャへの注意の配分量f_iとの間に,例えば,テクスチャ(A)群に対して,高い相関係数をもつ重回帰式f(A)=97.6+20.1D_P-55.3D_Hを想定でき,テクスチャ認知において,ポップアウトする識別要素としてのフラクタル情報量の確証を得ることができた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-07-25
著者
-
松井 伸之
兵庫県立大学 大学院 工学研究科
-
鶴野 玲治
九州芸術工科大学
-
鶴野 玲治
九州大学大学院芸術工学研究院
-
松井 伸之
姫路工業大学 知能工学研究室
-
馬場 英一
近畿大学理工学部経営工学科
-
松井 伸之
姫路工業大学 工学部
-
鶴野 玲治
九州芸術工科大学芸術工学部画像設計学科
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