ディジタルフィルタによる伝達周波数特性補正実験と高度感性情報の再生に注目した評価
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概要
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我々は, 高度感性情報の伝達を目的とする研究を行っている. それに関連して音の波面の精密な再生に着目しているが, 前報告は, 試聴位置における2wayスピーカシステムの伝達周波数特性をDSPを用いて, 平坦な特性に補正する実験を行った. 今回は, 直接音のみに注目して伝達周波数特性を平坦化する事を最小位相推移の範囲内でのみ行い, 音質評価とその結果の検討を行った. その結果, "Holographic音場感"や"空気感"などが著しく改善され, 立ち上がりなどが良いという評価が得られた. しかし, 高度感性情報の再現性が悪くなる場合もあった. そこで関連すると考えられる物理要因について, 更に高精度な調整を行なうことにより, 高度感性情報の再現に重要な"実在感", "深々さ"なども改善され, 総合評価は良いという結果を得た. 即ち, 高度感性情報の再現には, 伝達周波数特性平坦化以外にも, 或はそれよりも上位に満足しなければならない重要な物理要因・特性があることを明らかにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-01-29
著者
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宮原 誠
北陸先端科学技術大学院大学
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石川 智治
北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科
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小林 幸夫
北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科
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冬木 真吾
北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
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