高度感性情報の再生のためのDSPによる伝達周波数特性補正
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概要
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我々は高度感性情報の伝達を目的とする研究を行っている.前報告でDSPを用いて伝達周波数特性平坦化を最小位相推移範囲で行ってみた.しかし, 高度感性情報再現には特性平坦化以外に高精度調整が必要であり, その調整は補正フィルタ特性や音楽リソースに依存するという結果になり, 特性平坦化は場合によっては悪い結果を生じた.これは実験装置の性能に関係するようである.そこで, DSPによる伝達周波数特性平坦化が, 真に高度感性情報再現に重要であるかを, 実験装置の性能を高めて明らかにする実験を行った.その結果, DSPによる特性補正は, 今回の音響再生装置では, "Holographic音場感", "空気感", "躍動感・生命感"等を改善するため, これらを重要視するような音楽(打楽器でリードする音楽やライブ等:ジャズ, ロック系)に対し, 非常に有効であることがわかった.但し, 音響再生装置の音楽ジャンルへの適合性はDSPでは変わらず, 装置の個性によるようである.DSPによる特性補正は慎重な調整を行えば, どの個性の装置でも音質的に良い結果を生じるであろうと推測された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-06-29
著者
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