34. クロールプロマジン投与によるラット脳内アミン終末の変化

概要

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クロールプロマジン(CPZ)の効果については, ノルアドレナリン及びドーパミンのシナップス受容体を遮断することによるとする生化学的成績と, これらアミンの放出を抑制することによるとする生理学的成績とがある。したがってアミン終末に起る変化について形態学的, 組織化学的観察が必要とされる。方法 : CPZ(20mg/Kg)を連日成熟ラットに投与し, 最長30日までのものを, 3%過マンガン酸カリで脳室灌流し, 視床下部脳室周囲層を観察の材料とした。結果 : (1)終末接着部では, 電子密度のたかいシナップス間隙物質とシナップス後膜に接する細胞質沈着を有する典型的シナップス構造の出現頻度は, 対照では著しく低い(7%)が, 12日, 20日, 30日すべてにおいて約25%と著明に増加する。さらにやゝ不明瞭ではあるが終末の一部にシナップス様接着構造をもつものが30日では対照の2・5倍に増加する。(2)シナップス小胞では, 含粒小胞のしめる比率が10日以後で増加する傾向がみられる。(3)一部の終末で20日以後膜様構造物が増加し, 次第に終末全体が退行性変化を示すものがある。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20