79. Tetramethyl benzidineによる中枢神経内HRP順行性及び逆行性輸送の観察 : 電顕的研究
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概要
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中枢神経系においてHRP活性の証明は基質にdiaminobenzidine (DAB)を用いる方法が現在広く使われている。しかしながらDAB反応では逆行性輸送は証明し得るが, 順行性輸送の証明は困難である。最近この両者を証明し得るより鋭敏な基質としてtetramethyl benzidine (TMB)が用いられている。そこで今回我々はこのTMB反応産物を電子顕微鏡で観察する為に種々の検討を行なった。ラット脊髄に30%HRPを1〜5μl注人後約24時間でglutaraldehyde-paraformaldehyde液で灌流固定し, 間脳の50μ厚切片を作製, 逆行性輸送には視床下部室傍核を, 順行性輸送には視床後外側腹側核を用いTMB反応(Mesulam)を行なった。主に検討を加えた点は, 前後の固定, 反応および安定化についてである。一般に反応産物のオスミウム黒形成はSodiumnitroprussideによる安定化によって妨げられる。安定化をはぶいた反応産物は針状結晶の集合体(約2.5×2μ大)として認められ, 電子密度は非常に高い。したがってTMBにより標識された細胞体, あるいは軸索は明瞭に他と区別し得る。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
-
木村 宏
滋賀医科大学分子神経学研究センター形態部門
-
永井 利三郎
大阪大学小児科
-
佐久本 哲郎
大阪大・医・産科
-
木村 宏
滋賀医大解剖学
-
前田 敏博
滋賀医大解剖学
-
佐久本 哲郎
阪大・高次研解剖
-
永井 利三郎
滋賀医大解剖
-
前田 敏博
滋賀医大第一解剖
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