38. 小脳におけるノルアドレナリン終末の電顕的研究(その1, 顆粒層)
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概要
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小脳皮質にノルアドレナリン(NA)終末の存在することは組織螢光法で証明されているが, 顆粒層においてNA終末がいかなる神経成分と関係し, どのような機能を持つかについては不明である。そこで今回, 過マンガン酸カリウムを用いて小脳皮質をin situに固定し, 特に顆粒層のNA終末を電顕にて観察した。顆粒層においてとらえられたNA終末が, 主として顆粒細胞の周辺すなわち, 顆粒細胞の樹状突起の起始部, 顆粒細胞体, 顆粒細胞のごく付近の樹状突起(顆粒細胞のものと思われる)に接している像が数多く観察された。直径約250〜1000nmのNA終末は, 直径約500Åの小含粒小胞及び直径約1000Åの大含粒小胞を含み, しばしば, 接する樹状突起側への含粒小胞の集積, 膜の肥厚, 膜間隙の電子密度の高い物質が見られ, それらは接着構造あるいは接着様構造と思われる。しかし糸球体の部分では, 現在のとろNA終末を見つけることには成功していない。顆粒細胞は小脳皮質内では唯一の興奮性インパルスを発する細胞であるが, NA終末が特に樹状突起の起始部や細胞体と密接な関係を持つことから, NA終末が顆粒細胞の機能に何らかの影響をもつものと考えられる。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
-
遠山 正彌
大阪大学・医・第2解剖
-
遠山 正彌
大阪大・医・第2解剖
-
佐藤 啓二
滋賀医大・精神科
-
佐久本 哲郎
大阪大・医・産科
-
清水 信夫
名古屋保健衛生大 I解
-
木本 安彦
阪大 高次研解剖
-
山本 和己
阪大, 高次研解剖
-
高橋 泰行
大阪大・医・高次研解剖
-
佐藤 啓二
大阪大・医・高次研解剖
-
山本 和己
大阪大・医・高次研解剖
-
木本 安彦
大阪大・医・高次研解剖
-
清水 信夫
名古屋保衛大・医・解剖
-
高橋 泰行
阪大医学部高次研解剖
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