66. 正常ラット小脳皮質におけるノルアドレナリン終末の電顕的研究 : その2 プルキニエ層, 分子層

概要

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前回, 正常ラット小脳皮質顆粒層におけるノルアドレナリン(NA)終末の微細構造について報告したが, 今回は同様の過マンガン酸カリウムによるin situ固定法を用いて, プルキニエ層と分子層について観察した。顆粒層からプルキニエ層への移行帯では, ゴルジ細胞の樹状突起と密接な関係を持ち, また水平細胞のものと思われる成分と平行して走る終末が観察された。さらにこの層ではBergmann膠細胞の細胞成分に囲まれて, 樹状突起と接している終末が観察された。一方プルキニエ細胞の周囲にも, 組織螢光法によりNA終末が見ら.れるが, 電顕で観察された終末の多くは直接プルキニエ細胞体に接しているのではなく, 細胞周囲の小さい樹状突起と接していた。分子層ではNA終末は下層に数多く観察されたが, それらはプルキニエ細胞の樹状突起の他に, 星状細胞の樹状突起, 血管基底膜付近の膠細胞成分, 平行線維などと接しており, 多彩な像が得られた。また分子層の上層では, NA終末は樹状突起や平行線維と接していたが, 特に軟膜方向へ垂直に走るNA線維は, Bergmann線維と思われる成分に支持される形で走行している像が得られた。
日本組織細胞化学会の論文
1978-11-01