37. 正中隆起ノルアドレナリン終末の生後発達に関する形態学的研究
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概要
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正中隆起は間脳下垂体系の接点として重要な機能を有する部位であり, この部位には内層に豊富なノルアドレナリン(NA)終末が存在している。我々は過マンガン酸カリ灌流固定, 電顕的観察により, NA終末が上衣細胞と密な関係を有することを明らかにした。しかしながらNA終末の機能に関しては末だ明らかでない。今回我々は正中隆起NA終末の生直後からの発達過程を螢光法, 並びに電顕的観察を行い, その機能について検討した。材料として生直後より3週間までのラットを用いグリオキシル酸-ホルムアルデヒド法で螢光法を, 過マンガン酸カリ灌流固定により電顕的観察を行った。螢光法では生直後既に少数ながらNA終末が存在し, 約3週間で成熟型となった。電顕ではNA終末が成熟において観察された如く, 上衣細胞あるいはその突起と接している像がしぱしぱ観察され, しかも両者の接している膜間隙には接着構造と思われる電子密度の高い物質がしばしば認められた。しかしながら生後日数を経てくるとこの様な構造を示す像は認められなくなってくる。このように生直後から正中隆起に存在するNA終末は上衣細胞に強い影饗を与えているものと思われる。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
-
遠山 正彌
大阪大学・医・第2解剖
-
遠山 正彌
大阪大・医・第2解剖
-
佐藤 啓二
滋賀医大・精神科
-
佐久本 哲郎
大阪大・医・産科
-
清水 信夫
名古屋保健衛生大 I解
-
木本 安彦
阪大 高次研解剖
-
山本 和己
阪大, 高次研解剖
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高橋 泰行
大阪大・医・高次研解剖
-
佐藤 啓二
大阪大・医・高次研解剖
-
山本 和己
大阪大・医・高次研解剖
-
木本 安彦
大阪大・医・高次研解剖
-
清水 信夫
名古屋保衛大・医・解剖
-
高橋 泰行
阪大医学部高次研解剖
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