前方後円墳のための編年座標図の試作と検討
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概要
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前方後円墳はわが国の古代を象徴する主要なモニュメントであって、いまなお数千基が全国に遺存している。4世紀から6世紀にかけて築造され続けた前方後円墳のかたちの変化に関する形態研究によって多くの知見が得られている。とくに、主成分分析にもとづく数量的な研究によって、築造された年代と墳形の比例関係が検出されたことは注目に値する。すなわち、墳丘に設定した7つの計測部位の変化を統計的に集約した第1主成分が、古墳の年代にほぼ比例するという正の相関関係がみいだされている。本稿では、第1主成分(型式変化指数)のこうした編年機能を墳丘の平面企画に属する3つの部位、すなわち後円部直径、くびれ部幅、および前方部幅の3つの部位の計測値のみによって代替する方法を考える。型式変化指数は平面企画と立体企画にまたがる7つの部位の計測値によって規定される量であるため、このうちの1つでも欠落すると指数の算定ができなくなるという問題が発生する。実際、墳丘の考古学的調査によっても7つの部位の計測がもれなく行われる場合はむしろまれであって、どれかの欠落がある場合がふつうである。本稿は、こうした実際的な場面における編年を想定しながら試作した上記の3つの計測値に依拠する編年座標図について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2000-01-21
著者
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