界面活性剤2分子膜会合体によるブリリアントスルホフラビンの増感化学発光を利用するフローインジェクション法によるシアン化物イオンの定量

概要

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新しい化学発光(CL)系,ブリリアントスルホフラビン(BSF)-銅(II)-水酸化ナトリウムの界面活性剤(ジ-n-ドデシルジメチルアンモニウムブロミド)2分子膜会合体(ベシクル)増感CLを利用するシアン化物イオン(CN-)の微量定量をFIAを用いて検討した.20μl注入法では2.0×10^<-6>〜4.0×10^<-5>M,試料を連続的に導入する方法では5.0×10^<-7>〜2.0×10^<-5>Mの範囲でCN-の定量が可能である.定量範囲はCL法としては狭いが,選択性は高く,CN-に次いで大きなCL応答を与える硫化物イオンやアスコルビン酸でもその相対モルCL応答はCN-の約1.5%であった.CLは溶存酸素から生成するスーパーオキシド陰イオン(O_2^⨪)とBSFの反応で起こる.又,ベシクルはミセルよりも大きなCL増感作用や高選択的反応を促進する反応の場を提供していることを実証した.繰り返し精度は相対標準偏差で2.4%(n=10,3×10^<-5>M CN^-標準溶液使用)で,分析速度は360試料/hであった.
社団法人日本分析化学会の論文
1986-06-05