化学発光検出超臨界流体フローインジェクション法によるラクトンの微量定量
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概要
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超臨界流体(SCF)の高密度流体特性を利用した微量ラクトンの化学発光(CL)分析法をFIAを用いて確立した.本分析システムは1流路から成る.CLは2基の注入器(試薬用S_1 : 100μl, 試料用S_2 : 20μl)を用いてCO_2-SCF中に試薬(NaOH/C_2H_5OH), 試料(ラクトン/CH_3COCH_3)の順で導入して発生させる.CL発生機構は次のとおりである.ラクトンとNaOH及びC_2H_5OH/NaOHとの反応でそれぞれオキシカルボン酸とグリコール酸エステルが生成する.それらの反応でジエステルが生成し, 溶存酸素と反応して過シュウ酸エステル様の高エネルギー中間体が生じる.この励起化合物からCLが得られる.又CLはCO_2-SCFで増感される.本分析システムの分析化学的特性(代表としてγ-ブチロラクトン : γ-BuLac)は以下のとおりである.検出下限 : 1.0×10^<-10>M(20μl注入法 : S/N=2).検量線の直線範囲 : 1.0×10^<-9>〜1.0×10^<-7>M.選択性 : ラクトンに高選択的でβ-BuLacなど他のラクトン類には同程度の感度を有してCLが得られる.再現性 : RSDで5.5%(20μl注入法で1×10^<-8>Mのγ-BuLac試料の5回繰り返し測定).分析所要時間 : 約3秒.コーヒーエッセンス中でのγ-BuLacの回収試験も良好であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1993-03-05
著者
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