メッシュの最適化を利用したメッシュベースの形状モデリング
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概要
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CADによる精巧な形状のモデリングとは別に、Webで公開するための3次元コンテンツなどを簡単に作成できるモデリング環境の構築への要求が近年高まっている。この要求に対する1つの手法として、押す、引っ張るなどの物理的な法則に従った変形操作を形状に対して与える方法がある1)3)4)。これらの手法の基本的な考え方は、基本形状をメッシュで表現しておき、何らかのエネルギー関数の値を最小にするメッシュ形状を数値計算の手法を使って求めることにより変形をおこなう。しかしこれらの提案されている手法を使って形状の概形から詳細な部分までを一貫してモデリングしていくことは困難であると考える。第一の理由は最初に生成したメッシュの荒さ以上に細かい変形を行なうことはできないことにある。一方で最初に十分に細かなメッシュを生成しておくと、変形に要する時間はメッシュの細かさに応じて増加するため、処理時間が大幅に増加することになる。第二に変形を重ねるにつれてメッシュの形状が伸びたり歪んだりして望ましいメッシュでなくなっていく可能性があるし、また変形したい場所にメッシュのノードがなく、意図する変形ができない場合もある。一般に形状をモデリングするとき、最初に概形を作成し、徐々に細かな部分を作成していく。このことを考えれば、最初に生成するメッシュは荒いメッシュでよく、細かな部分を作成する時に必要な細かさのメッシュを生成し直してモデリングを進めることができれば効率的である。そこで本報告では、必要なときに必要な細かさのメッシュを生成しながらメッシュベースの形状モデリングを行う手法の構築を目指す。柔軟なメッシュ生成手法と物理変形手法を組み合わせることにより、与えられた基本形状にメッシュ生成後に物理変形とメッシュの最適化というサイクルを繰り返すことによりこの目的を達成する(図1参照)。[figure]
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
-
山田 敦
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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千代倉 弘明
慶応義塾大学環境情報学部
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伊藤 貴之
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
-
嶋田 憲司
カーネギーメロン大学工学部機械工学科
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嶋田 憲司
カーネギーメロン大学機械工学科
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千代倉 弘明
慶応義塾大学政策・メディア研究科
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