領域分割階層符号化に基づく画像構造

概要

論文の詳細を見る
画像の検索, 自動インデクス, 部分再利用には, 画像をフレームで管理するのではなく, 部品化して蓄積するほうが都合が良い. 標準符号化の JPEG では, これらを実現するには, 復号後に画像処理を行う必要があるため, 領域輪郭でエッジが鈍るのを避けるには, 圧縮率を高くできない問題がある. 次世代の映像符号化では, 画像を転送, 表示するだけでなく, 利用するための応用が重視される傾向にある. そこで本研究では, 前処理として領域分割手法により領域毎に分離された領域画像を, それぞれ独立に符号化する領域分割符号化法を採用する. 領域分割符号化法では, 領域画像をどのように符号化し, 画像データとして構造化するかが課題であった. 本論では, グラデーションを表現する平面近似画像と, 原画像から平面近似画像を引いた差分画像を, 多段階階層的圧縮によって表現する, 領域画像のデータ構造について記述する. また, 領域分割符号化データ生成過程において, 疎結合の並列処理計算機で有効な処理方法について記述する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-03-12