オブジェクト指向データベースシステムにおけるオブジェクト移動の実現法

概要

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近年、CAD、CIM、ネットワーク管理、マルチメディア、地理情報システム(GIS)文書管理などの分野で、データベース利用の高度化に伴い、複雑なデータに対する、より効率的な管理の必要性が認識されている。オブジェクト指向データベース管理システムは関係データベースと比較して、強力なデータモデリング能力などの機能を提供できる特色がある。しかし、ONTOSなどの商用化されているオブジェクト指向データベースシステムではオブジェクトが異なるクラスに移るという問題を直接扱うことはできない。このようなオブジェクト移動はスキーマ変更よりもよく起こるため、その解決へ向けた研究が急務となっている。この問題を解決するためには、オブジェクト指向データベースにおけるオブジェクト間の関連をモデル化し、オブジェクト移動に伴う起こる影響の処理機構を備えるべきである。本稿ではオブジェクト移動についての問題を分析し、モデルを定義し、このモデルに基づいたオブジェクト移動の実現法について検討する。
1992-09-28