並行制御機能のないデータベースシステムによる分散データベース
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概要
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最近のパーソナルコンピュータの機能の向上にともない, それらに対するデータベースシステムが多く市販され始めている. 本論文では, このような独立システムをローカルネットワーク上の分散データベースシステムとして運用する場合, 比較的簡単に実現できかつ実用的と考えられる並行制御を考慮した質問処理方式について示した. 個々システムは, 単体として利用する場合, 利用者の要求を順に処理することにより, 並行制御の必要がないが, このようなシステムを統合すると, 更新命令の反映の仕方により, 意味的な矛盾が生じ得る. 統合の問題を扱う場合, 通信手続き, データモデル, 質問の変換等を考慮することが必要であるが, これらは, 従来, 種々考えられてきているので, 本論文では, このような大域的並行制御という従来考慮されていなかった問題について考察し, その処理方式を示した. ここでは, (1)個々のシステムでは並行処理を行わない. (2)放送機能を持つ通信線を利用する. (3)大域的な質問は参照に限るという場合について考察したが, 拡張も可能である. この方式は, 各システムに固定順を付けパイプライン式に処理することにより, 質問処理で生じ得る矛盾を除いている. この方式は, (1)各システムヘの入力は質問言語のみであるのでそれらの変更の必要がない, (2)制御が単純であるので追加機能が少ない, (3)集中制御が不要である, (4)木プロトコルを基本にしているため, コストの高いロールバックが不要であるといった特長を持つ.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-11-15
著者
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