ウェーブレット変換の位相情報を用いた顔動画像からの表情認識に関する検討
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概要
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表情認識は、画像通信における知的な符号化や高度なマン-マシンインタフェースの実現のために重要な基礎技術である。例えば、通信会議システムにおいて表情認識が実現されれば、伝送すべき情報の高圧縮化が実現できる。また、対話型のシステム(例えば教育ソフト)では、ユーザの表情を理解して対話の流れを円滑にする高度な制御が実現できると考えられる。筆者らは、顔動画像からの表情認識を、隠れマルコフモデル(HMM: Hidden Markov Model)を用いる手法を提案した。動画像のフレーム毎に特徴量ベクトルを求め、その特徴量ベクトルの時系列を生成する確率モデルであるHMMを用いて表情認識を行う。HMM は、トレーニングデータからの高速な学習が可能、時間的変化特徴の利用が可能、時間軸方向の伸縮に対する耐性がある等の特徴がある。筆者らの従来のHMMを用いた表情認識法では、目および口の形状変化により空間周波数の電力が変化する点に着目し、ウェーブレット変換によりそれらを検出していた。しかし、空間周波数領域の電力からは顔の構成要素の移動情報が得られず、正確な認識が実現できないという問題があった。そこで、本稿ではウェーブレット変換の位相情報からエッジの移動量を算出して利用することにより、表情認識性能の向上を目指す手法を提案する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
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