ジャズの独奏の変化に対応する自動伴奏システム

概要

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本稿では、人間による独奏の変化を検出し、それに対応した伴奏をリアルタイムに出力する、自動伴奏システムについて述べる。本研究では、人間の合奏における音楽の聴取および協調過程を計算機で実現することを目標とする。一般にジャズにおいて、演奏者は即興的に演奏を変化させることによって、音楽に抑揚をつける。その際、独奏者だけが演奏を頻繁に変化させても、伴奏者がそれにともなって演奏を変化させなければ、全体として抑揚のついた演奏にはならない。そこで、本研究では独奏者の演奏の意図を検出し、それを用いて伴奏を変化させることによって、抑揚のついた合奏を実現する。従来のジャズを対象とした自動伴奏の研究には、JASPERや、ニューロミュージシャンなどがある。JASPERでは、テンションパラメータという独奏者の意図に相当する値が1つしかなかったため、独奏者の意図を十分に表していなかった。また、伴奏はあらかじめ持っている数種類の伴奏パターンを切替えて出力していた。その他、インタラクティブコンポージングの研究として、ユーザが伴奏の仕方を指定することによって合奏を実現するCypherなどがある。
1994-09-20