使いやすさ・透過性・拡張性の高い分散オブジェクトシステムRyORB

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本研究では, より使いやすく, 透過性・拡張性の高いORB RyORBをJava言語上に実装した.RyORBでは, 既存のクラスのオブジェクトの遠隔オブジェクト化や, さまざまな種類の遠隔メソッド呼出しを実現した.実験の結果, 従来のJavaORBと比較して遜色ない遠隔メソッド呼出し性能が得られた. 従来のJavaORBでは, メソッド呼出しのインターフェース定義が必須であったり(RMI), 遠隔オブジェクトへの参照であるスタブの遠隔オブジェクト型の変数への代入やメソッドへの引数渡しのような透過的な扱いができなかった(HORB, Voyager).また, スタブクラスの設計が引数渡しと返り値の受け取りを同時に行うという特定の呼出しに特化しているため, 非同期呼出しのような新たなメソッド呼出しの実現には, 生成するスタブクラスのコードを変更する必要があった. RyORBでは開発の利便性を考慮し, スタブクラスを(1)遠隔オブジェクトクラスのサブクラスとする方法と(2)遠隔オブジェクトクラスと同一のインターフェースを実装したクラスとする方法を, 開発者が選択できるようにした.また, 拡張性を考慮しスタブクラスを汎用化したことにより, スタブクラスを一切変更せずに様々な呼出しを容易に実現できた.実際にUDPによる呼出し, 返り値を待たない呼出し, 非同期呼出し, UDPのブロードキャストで複数の遠隔オブジェクトからの返り値を受け取る呼出しが可能となった.
社団法人情報処理学会の論文
1999-08-15

使いやすさ・透過性・拡張性の高い分散オブジェクトシステムRyORB

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