共起類似性に基づく同義語の抽出

概要

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同義語辞書は,データベース検索等でその性能(ユーザインタフェース)を向上させるのに有効である.従来から,係り受けや共起関係の類似性に着目したクラスタリングに基づき同義語が抽出できるとの報告がある.これらは,人手で細かく分析された質の良い(したがって小規模にならざるを得ない)データでの試みが中心であるが,規模の大きな辞書を作る際には,容易にかつ大量に集められるデータを前提とした方が望ましい.一方,筆者らもクラスタリングに基づいた同義語抽出の予備実験を行ったが,同義語はクラスタリングの初期段階(1クラスタあたり数語)にも多く見られ,概念体系の構築までは望まず同義語の抽出だけを目標とするならば,計算量の大きいクラスタリングは必須ではないとの知見を得た.本研究では,大規模な同義語辞書の作成を目標とし,容易にかつ大量に得られるデータから比較的高速な処理で同義語候補を得る方式を検討する.具体的には,単語共起データを元に,クラスタリングのような階層化を行わずに,単語間の共起類似性に基づいた同義語対の抽出を試みた.ただし,現実の問題として同義語を完全に自動抽出することは難しいので,人間による選別作業も併せて検討した.以下,同義語候補抽出方式の概要とともに同義語の抽出実験,人間による選別の結果を報告する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-09-27

共起類似性に基づく同義語の抽出

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