並列論理型言語KL1を用いた並列帰納学習システムの作成

概要

論文の詳細を見る
近年,機械学習の分野で帰納的推論を取り入れ,背景知識と事例から一般化規則を導出する際に,用いられた概念を論理プログラムで生成する研究が盛んに行なわれている.MuggletonのGOLEMやQuinlanのFOILなどが代表的である.一般に,これらの帰納学習システムは正事例集合E^+,負事例集合E^-,背景知識Kを用いて,K⋂H⊢E^+かつK⋂H⩝E^-を満たす規則Hを導出する.しかし,この様な規則を効率良く導出するための方法は,まだ確立されていない.そこで,本稿は数ある帰納学習システムの中でも,h-easyの概念を導入して,有限の長さで他のアルゴリズムで学習できない多くの論理プログラムを帰納学習することのできるGOLEMを取り上げ,GOLEMの基本的アルゴリズム(greedyアルゴリズム)の問題点に触れる.さらに,その問題を解決する手段として並列処理の考えを導入した並列帰納学習システム(PAG)について述べる.これはPlotkinが提案した相対最小一般化(RLGG)と関数の依存関係を用いたリテラルの削減といった基本的な手法に,並列処理を導入することで,有効解が放棄されることなく得られるシステムである.
1993-09-27