縮閉線を用いた曲率変化の滑らかな曲線の構成法とその評価
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概要
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自動車ボディーのような工業製品の意匠設計において,デザイナは,曲面上のハイライトや映像が歪まないことを重要視する.このデザイナの美的意図を満たすためには,面の法線方向の変化,すなわち,曲率の変化を滑らかにする必要がある.しかし,従来用いられてきた構成法では,曲率変化を考慮し形状を生成することは難しい.そこで筆者らは,曲面の構成曲線における曲率分布を直接規定することにより,曲率変化が滑らかな曲線を構成し,これにより曲面を構成することを考えた.デザイナは,曲線定規や「しない定規(spline)」で曲線を描くが,一度に描ける範囲を「単位曲線」と呼ぶことにする.この単位曲線は,美的意図により決定され,しかも,曲線内の曲率変化は単調である.単位曲線をつなぎあわせる(これを複合曲線と呼ぶ)ことにより,曲線形状全体を生成する.従って,単位曲線の拘束条件は,曲線の始終点(両端点),接線方向そして端点での曲率半径となる.しかし,このような幾何学的拘束条件を満たし,しかも曲率の変化が単調な曲線を構成することは困難である.例えば,スプラインによる曲線構成では,曲線セグメント両端点での曲率条件は満たせるが,セグメント内の曲率変化をも制御することは難しい.実際のデザイナによる評価実験を行った結果,デザイナは目視で曲率プロファイル(曲線に沿い,曲率中心を結んだ曲線)を認識でき,曲率が急に変化している箇所や曲率変化の変曲点が2つ以上現われるものは好ましくないと感じることが確認された.本法では,目的とする曲線の曲率中心の軌跡である縮閉線(evolute)を規定し,そこから得られる伸開線(involute)により単位曲線を得る.縮閉線は,2次有理Bezier曲線で表現し,その伸開線を3次有理Bezier曲線で近似することにより目的とする曲線を得る.
- 1993-09-27
著者
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