推定輪郭を利用する二重造影像の胃領域輪郭抽出
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概要
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胃の集団検診では条件を変えて数枚のX線像を撮影する。このうち、図1(a)に示す二重造影正面像(以下二重造影と略す)は重要な情報を多く含む。このX線像からは胃内部のしわの状態を調べるが、このためには、まず胃領域を抽出する必要がある。胃領域の輪郭は基本的には明るい線(以下白線とよぶ)として現れるが、コントラストが悪い場合が多く、さらに、骨や腸や胃領域内部のしわによる線など紛らわしい線も多いので、胃領域抽出は非常にむずかしい問題である。問題をさらにむずかしくしているのは、胃はその形が個人差により非常に多様で、確からしい一部が確定されても残りの部分の予測が容易でないことである。そこで、撮影条件は異なるが、同じ方向から撮影された図1(b)の立位充満正面像(以下立位充満と略す)の胃領域から二重造影の胃領域の形を予測して胃領域抽出時にこれをモデルとして、利用することを考えた。胃は柔軟な組織であるので、両画像間で胃がどのように変形するかを考慮する必要があるが、この予測手法についてはさきに発表した。図2(a)に図1の胃に対する予測結果を示す。さらにこの予測形を基にしたモデルを、二重造影に位置合わせした後変形し、より正確に胃領域輪郭を推定する処理も行った。図2(b)に図1の胃に対する推定結果を示す。本稿ではこの推定輪郭を利用して輪郭線分を精度良く求める手法について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-03-14
著者
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