予測形状を利用する二重造影像の胃領域輪郭の推定

概要

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胃の集団検診では条件を変えて数枚のX線像を撮影する。このうち、図1に示す二重造影正面像(以下二重造影と略す)は重要な情報を多く含むが処理が難しい画像である。このX線像からは胃内部のしわの状態を調べるが、このためには、まず胃領域を抽出する必要がある。胃領域の輪郭は基本的には明るい線(以下白線とよぶ)として現れるが、はっきりとでているところは少なく、さらに、骨や腸の線や胃領域内部のしわによる線など紛らわしい線も多いので、胃領域抽出は非常にむずかしい問題である。問題をさらにむずかしくしているのは、胃はその形が個人差により非常に多様で、確からしい一部が確定されても残りの部分の予測が容易でないことである。そこで、撮影条件は異なるが、同じ方向から撮影された立位充満正面像(以下立位充満と略す)の胃領域から二重造影像の胃領域の形を予測して胃領域抽出時にこれをモデルとして利用することを考えた(図2参照)。胃は柔軟な組織であるので、両画像間で胃がどのように変形するかを考慮する必要があるが、この予測手法についてはさきに発表した。ただし、この結果得られる予測形は実際とは多少異なる。本稿では、この予測形を基にしたモデルを、立位充満と二重造影の位置の変動に対して位置合わせした後、snakeで表し二重造影の白線と重なるように変形することにより、より正確に胃領域輪郭を推定する処理について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-16

予測形状を利用する二重造影像の胃領域輪郭の推定

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