特徴点対応を必要としない剛体の位置合せ手法
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概要
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剛体を平行移動、回転移動して得られる任意の位置・姿勢を、特徴点や特徴セグメントの対応ベアの抽出を行わずに検出する手法について述べる。図1(a)に示すように、代表点P_i(x_i,y_i,z_i)(i=1~n,図中)の座標値で表された剛体が、任意の平行移動、回転移動した後の座標をP'_j(x'_j,y'_j,z'_j)(j=1~n,図中)とする。本研究では、元の点との対応関係はわからないが、移動後のすべての点の座標値が得られた場合に、この移動量を求める問題を考える。この場合、移動前のP_i(i=1~n)と移動後のP'_j(j=1~n)のそれぞれの重心位置が求まるので、まず重心を重ねるように平行移動させ、残りの姿勢のずれを重心回りの回転移動で表すこととする。ここで、図1(b)のように重心を重ねた後の座標を改めてP_i(x_i,y_i,z_i)(i=1~n)と表し初期姿勢とし、求めたい姿勢をP'_j(x'_j,y'_j,z'_j)(j=1~n)を目標姿勢とする。今、初期姿勢にある剛体に重心固定で適切な回転力を加えれば、目標姿勢に重ね合わせることができることに着目し、目標姿勢からの任意のずれに対して、常に目標姿勢に近付ける方向の回転力を生じるような力の定義について考える。まず初めに、目標姿勢の各点P'_jからすべてのP_iに距離の2乗に反比例する吸引力(ただし距離0においては力0)を想定し実験を行った。この場合、近傍の目標姿勢の点からの影響が主に効くため、回転移動量が代表点間隔より大きくなると容易に目標姿勢とは異なる姿勢で安定する。これに対して、逆の発想から各点P'_jからすべてのP_iに距離の2乗に比例した斥力を加えると、任意の回転移動量に対して、目標姿勢(もしくは重心に関するその正対位置)に収束する現象が観測された。この斥力による目標姿勢への収束は、図2の2点A,Bからなる系を例とすると次のように説明できる。今、目標姿勢A_0、B_0からθ回転してずれた場合、AにかかるA_0、B_0からの斥力による力モーメントは、斥力が距離に比例とした場合、図中a、bとなり大きさが等しく打ち消し合う。したがって、斥力が距離の2乗であれば必ず遠い点から受ける斥力が大きくなり、常に回転のずれを減らす方向に力が働き、目標姿勢に収束する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27
著者
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