ニューラル音楽認識システムSOUPにおける非線形時間軸伸縮問題への対処方式

概要

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最近ニューラルネットワークを音声認識に利用する試みが数多く行われている。我々はその応用として音楽を認識するシステムを開発している。音声認識では時系列パターンをどのように扱うかということを考える必要がある。時系列パターンを神経回路網で取り扱う場合、時間を空間パターンに展開するものと、時間そのものとして扱うものに大別できる。後者の場合、adaptive-junctionやjordanのネットワークを使うものなどがあるが、いずれも現実問題に応用させる段階には至っていない。前者の方はバックプロパゲーションという強力なアルゴリズムの存在により、さまざまな問題に適用することができる。このとき問題となるのは、非線形時間軸伸縮問題である。この問題に対処するため、遅延素子を用いたり確率密度係数を付加したり、様々な研究が成されている。本稿では、このような仕組みを用いずに、単純な多層ネットワークの組合せとバックプロパゲーションアルゴリズムのみを用いて、非線形時間軸伸縮問題への対応の可能性を考える。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-16