データマイニングにおける時系列データの処理法

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データベースからの知識獲得の研究は、様々な手法、応用分野について広く行なわれているが、その多くがアルゴリズムに主眼をおいており、例題を取り上げる際、問題を単純化するだけでなく、そのデータの規模をも縮小してしまっている。しかし、実際のデータ、例えば、企業の持つ顧客、購買データベースなどは数百万レコード、数百MB-数GBにも及ぶ。こうした大規模のデータを対象として、現実的な実行時間で処理を行なうには、現時点では、機能が単純なものに限定されているが大量のデータを効率良く扱えるエンジン([1],[2])を用いる必要がある。こうしたエンジンは一般的に、入力データのバリエーション、フォーマットも限定されている。そこで方法論としては、マイニングエンジンにあらゆるデータを放り込む、という形は不可能であり、様々な種類のデータ間の相関関係を、試行錯誤のなかで多角的に分析する、という形となるのが現状である。ここで、一回の試行は、(1)データベース中のデータの一部を選択してそれに対し様々な形で前処理を施し、(2)エンジンにかけて解析し、(3)後処理をして分析する、という手順からなる。つまり、効率良く意義のある結果を得るためには、エンジンだけではなく、その前処理において、いかに有効な情報を織り込むかが重要となる。本稿では、時系列データの前処理の方法をとりあげる。利用するエンジンの入力としては、例えば流通系企業のデータを例にとると、顧客情報、商品情報、POS情報などが考えられるが、この中で、連続的な値をとる時間データはそのままでは単なるIDとしてしか機能しない。それ以上の情報を得るには、時間軸に沿った解析によりその「時間」の持つ意味を抽出する、という処理を必要とする。そこで、時系列データに対する前処理の一方法として、時間データを量子化された属性に変換することにより、他の属性情報と同等に扱う方法を検討する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20

データマイニングにおける時系列データの処理法

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