時制永続オブジェクト管理システムPOST/C++における履歴オブジェクトアクセスの高速化手法の検討

概要

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近年、データベース応用分野の高度化に伴い、複雑なデータ構造や手続きを伴うオブジェクトを扱うことが可能なオブジェクトデータベース管理システム(ODBMS)の利用が進みつつある。また、データベースに対する応用要求として、時間情報管理やオブジェクトの更新履歴管理の要求もある。これまで、主に関係データベースを基礎にした多くの研究が時制データベース[4]の研究分野で行なわれてきている。しかし、ODBMSで時間情報を扱うためには、オブジェクトの状態の時間変化を管理するための時制永続オブジェクトモデルが必要である.そこで、当研究グループでは、時制永続オブジェクトモデルを支援する時制永続オブジェクト管理システムPOST/C++の開発を行なっている。では、システムの設計と実装したシステムの基本性能をベンチマークを用いて測定した結果を報告した。その結果、オブジェクトの現在の状態を表す現在オブジェクトへのアクセスに対して、過去のオブジェクトの状態を表す履歴オブジェクトへのアクセスに3倍から10倍程度のオーバヘッドがかかることが観測された。時制オブジェクト管理システムでは、履歴オブジェクトへのアクセスにもある程度の高速性が要求されるので、本研究では、履歴オブジェクトへのアクセスの高速化の手法について検討する。2章では、時制オブジェクト管理システムPOST/C++の履歴オブジェクトへのアクセスの方法の現在の実装と問題点について述べ、3章では高速化をはかるための方式について述べる。4章では、まとめと今後の課題を述べる。
社団法人情報処理学会の論文
1996-03-06

時制永続オブジェクト管理システムPOST/C++における履歴オブジェクトアクセスの高速化手法の検討

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