クラスタリングを用いた楕円体問合せ推定法の改良

概要

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本稿では, 例を用いた類似検索のための一手法である, 複数の例に基づき適切な問合せ位置と距離関数を推定する楕円体問合せ推定法の改良について述べる。この手法は, サンプルデータ集合の統計的情報をもとに, 適切な問合せ位置と楕円体距離(ellipsoid distance)の距離行列を推定するものであるが, これまでのアプローチでは, ユーザから与えられるサンプル集合が特徴空間上で単一のクラスタをなすことを仮定していた。しかし, このような仮定は一般に成り立つとは限らず, 成り立たない場合には, 推定された問合せはユーザの意図を十分反映したものではなくなるおそれがある。よって本稿では, サンプルデータ集合中に複数のクラスタが存在する場合においても適切に問合せを導出できるよう, クラスタリングを用いたアプローチを提案する。特徴空間上でサンプルデータ集合のクラスタリングを行うことによりクラスタ構造を導き, それらのクラスタの個々に対し楕円体間合せ推定法を適用する。提案手法の特徴として, 検出するクラスタの個数があらかじめ固定されているのではなく, ユーザからのフィードバック過程を通じてクラスタ数を調整していくという点がある。
1999-07-21