構造化文書とデータベースの統合利用の研究 : ランキングを含む問合せの記述とその処理方式

概要

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近年, コンピュータ技術の発展やネットワークの普及によって様々な情報資源の利用が容易になり, それらの異種情報資源の統合利用が重要な諜題となっている。各種の情報資源の中でも構造化文書はデータベースと共に重要な情報資源となってきている。我々の研究グループでは構造化文書とデータベースの統合環境を提供すべく, NR/SD+の開発を行なっている。NR/SD+では, 入れ子型リレーショナルモデルに抽象データ型として構造化文書型(SD型)を導入している。また, 入れ子型リレーションに対する入れ子型リレーショナル代数とテキストに対するリージョン代数という2つのデータ操作体系に, それらの間を相互変換するコンバータと呼ばれる演算子を核とする演算子群を提供する事により, 構造化文書と入れ子型リレーションの統合利用が可能な環境を提供している。文書の検索に関しては, 一般にユーザの検索要求を問合せ式として明確に記述する事が難しい場面が多くある事が知られている。このため, 情報検索においては, 対象データの検索要求に対する適合度を導入した問合せ処理がしばしば行なわれている。構造化文書の検索においても同様の問題が発生する。そこで, 本稿ではNR/SD+に適合度の概念を導入した問合せ記述とその処理機構の導入を検討する。まず, NR/SD+について簡単に述べる。次に, その拡張として適合度を持つリレーションと, 適合度を与える演算子, 適合度によりタプルを絞込むための演算子について述べる。また, 適合度がどのように結果へ伝播されるかを述べ, 例を示す。最後に, まとめと今後の課題を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

構造化文書とデータベースの統合利用の研究 : ランキングを含む問合せの記述とその処理方式

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