CAD支援を指向した複合対象抽象データ型の提案 : ソリッド・データベースへの応用

概要

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近年,CADデータベースの重要性が幅広く認識されてきている.CAD応用では,複雑な構造を持った対象,すなわち複合対象を扱う必要がある.これまで事務データ処理分野で広く利用されている関係データベースは,複合対象の格納・操作に必ずしも適していない.本論文では,関係データベースに複合対象抽象データ型の概念を導入し,複合対象の内部構造および挙動を統一的に記述するための枠組みを提案する.一般に,複合対象の木構造は複数の関係にまたがったダブルにより表現される複合対象抽象データ型の下では,このような内部構造をユーザは直接意識することなく,応用目的に合わせて用意された関数/手続きを通じて,一貫性の保証された複合対象の操作を行うことができる本論文では,各種基本概念を導入した後,CAD応用例として3次元ソリッド・データベースを用いてその有用性を示す.また,本提案に基づく拡張関係データベースシステムを開発し現在評価中であるが,その実現方式についても述べる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-08-15