CSCLに基づく授業設計支援システムの研究・開発

概要

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昨今の社会状況は、情報技術によって急激に変化しつつある。この影響は教育の世界にも現れている。その結果、教育の世界では情報化社会に対応した教育の質的向上、また、教授者の自己改善力の形成が重要であると考えられる。それゆえ、積極的な教授者教育の支援機構が必要不可欠である。特に、昨今の情報社会に見られるような目覚しい環境の変化に適応するためには、従来、教授者の個人的資産であった知識(例えば、教授に関する知識)を多くの教授者で共有し、そして知識の交換により、情報の共有・洗練化の機構が必要とされる。これらの機構を構築するために、教授に関する知識の獲得とその知識の共有と洗練化のための議論環境が必要とされる。我々はこのような機構をインターネット上に構築する。インターネット上のコミュニケーションシステムの構築により、地理的に離れた多数のユーザ(教授者)が時間的・距離的な制約に縛られずに、議論などによる情報交換を行なえる。教授知識の獲得について、我々はすでに開発した授業設計支援システム(Instructional Design Supporting System:IDSS)を利用する。このシステムは、教育における授業活動(計画・実施・評価・改善)の中から特に授業の「計画」に着目した、教授者の授業設計を支援する。授業設計とは、教材内容、学習環境、教授者の活動などによってもたらされる効果を予測しながらの授業活動の立案である。このシステムの利用により授業計画書の作成が可能である。さらに、作成された授業計画書とIDSSを利用する過程での推論プロセスから教授に関する知識を推論する。教授に関する知識とは、授業設計者が授業計画書を立案した理由、つまり、「なぜ…の評価方法を用いるのか」の「なぜ」にあたる知識である。授業計画書や教授に関する知識は、ドメイン(教材内容、クラスの状態など)に非情に依存しているため、一般化が困難とされる。教授者も教授に関する知識はドメインに依存した形で学習していると考えられる。ドメインの異なる授業計画書や授業に関する知識の蓄積し、ユーザである授業設計者は研究したい授業計画書やその知識を検索する。その授業計画書や知識についての議論により、それぞれのドメインに対応した教授知識の共有と洗練化ができる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-03-06

CSCLに基づく授業設計支援システムの研究・開発

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