Bacillus subtilisの増殖の定常状態および非定常状態における菌体内成分の挙動

概要

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培養環境の変化に伴う増殖の適応過程を数式化することを目的として, Bacillus subtilisの増殖の連続培養における定常状態と回分培養における指数増殖期でのxylose-casamino acid mediumからglucose-casamino acid mediumへのshift upによる非定常状態中の菌体内成分である, DNA, RNA, proteinの挙動について検討した。その結果, 定常状態中では, 菌体内のDNAおよびproteinの含量は比増殖速度に関係なく一定であったが, RNA含量は比増殖速度の増加に伴い直線関係をもって増加した。しかしこのRNA含量のうちのtRNA含量は比増殖速度に関係なく一定でありrRNA含量は比増殖速度の増加に伴って直線的に増加し, 比増殖埴土はこのrRNA含量によって制御されていると考えられる。非定常状態中でも, 菌体内のprotein含量は一定であり, proteinの比合成速度と比増殖速度とは一致していた。しかし, RNA含量はshift upに対してtime lagなく非定常状態中増加した。またRNA, proteinの比合成速度および比増殖速度は共にshift upに対してtime lagなく増加し始めたが, RNAの比合成速度の適応性の方が大きかった。更にRNA含量のprotein比合成速度に対する関与は定常状態の場合の様な直線関係にはなく, 非定常状態の前半の方が大きい寄与率を示した。これらのことはRNA含量が環境変化に対する適応性に支配的因子として働いていることを示していると考える。
社団法人日本生物工学会の論文
1974-02-25

Bacillus subtilisの増殖の定常状態および非定常状態における菌体内成分の挙動

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