日本のサツマイモより分離された3種のひも状ウイルスについて
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概要
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汁液接種によりサツマイモから3種のひも状ウイルスが分離された。M分離株はIpomoea spp., Nicotiana tabacum, Datura stramonium, Chenopodium quinoa, C. amaraniticolorに, Mo分離株はIpomoea spp., C. quinoaおよびC. amaranticolorに, C分離株はIpomoea spp.にのみ感染した。M, MoおよびCの希釈限界はそれぞれ, 1,000〜10,000倍, 1,000〜10,000倍および100〜1,000倍であり, 保存限界は1日以内であった。また, 不活化温度はそれぞれ50〜60℃, 60〜70℃および70〜80℃であった。M, Moのウイルス粒子はそれぞれ750〜810nm, 850〜880nmに, Cは710〜760nmと1,430〜1,510nmに分布した。ウイルス粒子の幅はいずれもおよそ13nmであった。Mは容易にモモアカアブラムシによって伝搬されたが, MoおよびCは伝搬されなかった。SSEM-PAGによりMと台湾で発生するsweet potato latent virus (SPLV)抗血清との間に, Moとsweet potato kathery mottle virus russet crack strain (SPFMV-RC)との間に血清関係が認められた。しかし, 3分離株の間には血清関係は認められなかった。以上の結果から, MおよびMoはそれぞれSPLV(サツマイモ潜在ウイルス)およびSPFMV(サツマイモ斑紋モザイクウイルス)の1系統と考えられた。Cはサツマイモでは未記載のウイルスであり, これをサツマイモシンプトムレスウイルス(SPSV)と命名したい。
- 1991-10-25
著者
-
新海 昭
九州農試
-
中野 正明
国際セ
-
新海 昭
九州農業試験場:(現)日本植物防疫協会
-
宇杉 富雄
九州農業試験場
-
中野 正明
九州農業試験場
-
林 隆治
九州農業試験場
-
宇杉 富雄
国際農林水産業研究セ
-
林 隆治
国際農林水産業研究センター生物資源部
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